「音楽で幸せを大きく広げましょう」音楽の楽しさを伝え続けて47年。【タカハシ・ミュージック・プラザ】

オーボエ、ハープ、ドラム、声楽、、、ピアノやギターはもちろん、たくさんの種類の楽器を習える音楽教室を営む楽器店が稲城駅前にあります。友iな人々6回目はタカハシ・ミュージック・プラザの代表髙橋さんにお話を伺いました。

音楽を始めたのは生まれて3ヶ月!?音楽と共にある人生。

−稲城で音楽教室をはじめられたきっかけを教えてください。

「出身は福島県の白河というところです。YAMAHAに7年くらい務めて、独立したときに稲城にきて、それが(今から)47年前くらいですね。」

−なぜ稲城で開業されたのですか?

「府中市、小金井市、町田市、多摩市には楽器店があったけれど、稲城には楽器店がなかったからです。」

開業当初の店舗は稲城長沼駅の近くのマンションの6階と2階だった。当時稲城で音楽教室は少なく、髙橋さんの音楽教室で習ってから音大へ進学したり幼稚園の先生になったりした人、親子3代で習いにきてくれた人もいるという。

−楽器は何歳くらいから好きだったんですか?

「生まれて3ヶ月くらい(笑)それは冗談だけど。おじさんがバイオリンをやっていて、バイオリンが家にありました。ジョーン・バエズやブラザーズ・フォアなどの音楽が好きで、高校生のころはボブディランとかをブラスバンドでやっていましたね。パンも好きで楽器屋さんかパン屋さんになりたいなと思っていました。」

奥様との出会いも音楽がきっかけだそう。202210月に奥様が実行委員長となりウクライナ人道支援コンサートを主催した。

「戦争はだめですね。親を失う子どももいる、、、最近反戦を歌う人が出てこないですね。」

 

47年変わらぬ理念が支える、タカハシ・ミュージック・プラザの『仕事』

−お仕事の内容を教えてください。

「楽器の販売、調律やったり修理やったり、いろんなことをやります。なかなか音楽ビジネスで生業としてやっていくっていうのは大変ですよ。」

音楽教室は稲城駅前の店舗の他に、稲城市向陽台、稲城長沼駅前、稲田堤に展開している。講師の先生は40名ほど在籍しているという。講師の先生の採用や先生たちによるコンサートの企画も髙橋さんの仕事だそう。1998年からホームページを公開。インターネットで買い物をすることが今のように一般的になる前に、いち早くホームページで楽器販売をはじめた。川崎街道沿いに楽器店を運営していた頃は店舗に楽器を置いていたが、現在はホームページやカタログで楽器販売を行っている。

「コンビニみたいにここに入ってきて、このピアノどうですか?って(販売する)感じじゃないんですよ。僕が何人に届けたか。(配送先の台帳を見せて)これも手帳です。一番大事なものですね。」

 

−『音楽で幸せを大きく広げましょう』というキャッチコピーが素敵ですね。

稲城駅前の店舗の中には会社の理念が書かれた絵が飾られている。

「最初は名刺に刷り込んだりするのが気恥ずかしかったですけどね。」

47年前の創業時に会社の理念を言葉にしたキャッチコピーをつけた。現在はYAMAHAや島村楽器もキャッチコピーをつけているが、当時の音楽業界の会社では珍しかったそう。

音楽に触れる機会が少ない人のために、コロナが流行する前は稲城長沼駅前の広場で講師の先生による無料の演奏を行っていた。中古のエレクトーンは無償で譲渡しているものもある。音楽で幸せを大きく広げるため、色々な活動を行なっている。

 

音楽を始めるきっかけという役割。子どもへの眼差しの温かさ。

−音楽をしていてよかったと思うことはなんですか?

「譜面台を見てみてください。」

そこには『音楽に触れる機会をくれてありがとう』というメッセージカードが。以前、店舗を訪れたお母さんに、たまたま持ち合わせていた稲城フィルハーモニーのコンサートのチケットを渡した。コンサートに行った子どもがくれたお礼のカードだという。

「音楽に触れる機会は親が一生懸命つくっていかないとね。でも僕もそういう役目をしているわけで、楽しいです。」

ハロウィンの時、近所の保育園から子どもたち用のお煎餅を渡されたので、もっと喜ぶようにとチョコレートやどんぐりを入れてラッピングして配ったそう。冬の間はお店の前を雪だるまのイルミネーションで飾っている。生徒の中には、大学受験に受かったと報告しにきてくれる子もいるという。子どもと関わる大人として、大人も良くならなければと髙橋さん自身も慶應義塾大学の経済学部を20233月に卒業した。

「子どものことやらないと発展しないですから。だんだん子育てしやすい世の中になってきましたよね。」

 

子どもが練習しない!?習い事あるあるの対処法

−子どもに習い事の練習をさせるには、どうしたらいいと思いますか?

「やらせたいのにも作戦があるじゃないですか。作戦は練らないと。勉強だって、こんなに楽しいことがいっぱいわかるんだって気づかせることです。音楽だってそうで、いわゆる『ハマる』ということ。ハマったら、ご飯食べなさいって言っても弾いてます。だって楽しいですから。」

ひと昔前の指導法は厳しいものが多かったが、今はそうではないという。スパルタ方式が必要な場合もあるが、それ以前にハマる経験をしていれば一生懸命やれる。難しい曲でもみんなの前で弾くから、あの人の伴奏をやらないといけないから、と、音楽にハマっている人は、見ていないところで物凄く練習しているそう。

「(例えば)お父さんとお母さんが楽しそうにやったら、私もまぜてよってハマっていく。そうなればどんどん上達します。」

 

音楽を始めたいときがスタート。何歳でもウェルカムな音楽教室。

−音楽教室についてですが、生徒さんはお子さんが多いですか?

「今は4歳から習うとかではなくて、80歳の人が習いに来たりします。(音楽の魅力に)気づいた時がスタートなんですよ。」

 

−音楽をはじめようとしている人に一言お願いします。

「音楽をはじめたいっていう気持ちを持っているだけで、(その人は)はじめます。それは何よりです。」

タカハシ・ミュージック・プラザの理念をもとに、稲城の店舗には「フルーリール・ムジカ(音楽が咲く)」、向陽台の店舗には「ミュージック・バルーン(音楽が膨らむ)」という名前がつけられている。音楽に魅せられた髙橋さんの運営する、音楽で幸せを大きく広げる場所。お試しレッスンも随時受付中とのこと。興味のある楽器があれば、是非足を運んでみたい。