フード、トリミング、ドッグカフェ…。進化し続けるドッグサロン【アビーズペット】

稲城駅から南山地区に向かって欅並木の坂を登ること約5分。
ペット飛び出し防止用の二重扉を開くと店長犬の銀ちゃんがお出迎えしてくれます。素敵なドッグカフェスペースの奥には厳選されたフードがずらり。トリミング室の様子も見られます。友iな人々第4回目はアビーズペットのオーナーの高木さん、スタッフの野津さんにお話を伺いました。

店長犬の銀ちゃん

 

−お店を始められたきっかけは何ですか?

「(高木さん)ワンちゃん、ねこちゃん、動物が一番すきだからです。建築の仕事をしながら何か(事業を始める)といったときに、好きなものと接したらいいアイデアも浮かぶと思ったので。もう13年目かな。」

アビーズペットさんは、高木さんが社長を務める株式会社ティー・エム・インテリアのペット事業部。店舗の内装が可愛らしいのも納得です。

愛犬の原因不明の死をきっかけに「フード」にこだわるお店に

厳選されたフードがずらり!海外から取り寄せているものも多い

「(高木さん)前に飼っていた犬がなぜ亡くなったかわからなかったので。その時に出会った人が『食事だよ』とおっしゃったんです。それから食に特化していきましたね。その子に合った安心安全なフードを食べさせるのが一番いいと思っています。」

−フードを選ぶ際の基準は何ですか?

「(高木さん)お客様からの情報をものすごく集めます。ネットからだけではなく食べている人からの情報ですね。皆さんに試食品を渡して、うんちの状態を見てから購入してもらうようにしています。」

 

どんな犬でもOK!「ワンちゃんファースト」なトリミング

−トリミングの基本コースを教えてください

「(野津さん)シャンプーのコースは爪切り、耳そうじ、足の裏、足回り、肛門絞りとシャンプーを行います。カットコースはシャンプーコースに加えてカットを行います。通常はシャンプーコースで1時間、カットコースでは1時間半から2時間で仕上げます。」

飼い主さんからのカットの方法の指定や、ワンちゃんの大きさ、犬種により時間が変動する場合もあるという。

−やんちゃなワンちゃんでも大丈夫ですか?

「(野津さん)全然大丈夫です。ここに来ると大人しくなる子もいますし。トリミングが『気持ちがいいものだ』と思っている子もいます。」

病気をした後や治療中などで体力が落ちている場合は、手早く飼い主さんの元へお返しする。特別なケアが必要なワンちゃんの場合は、その子用に時間をとって対応することもあるそう。

−ワンちゃんファーストですね。

「(高木さん)ワンちゃんファーストですよ。本当に。何も言えない子たちなので。ここに来ると楽しいって思ってもられるような場所にしたいですね。」

ペットホテルでワンちゃんに社交性が身に付く!?

ペットがいてもいなくても利用可能なこだわりのカフェスペース

−ペットホテルを利用するまでの流れを教えてください。

「(野津さん)ここで1日お預かりします。幼稚園みたいに1日過ごして、ちょっと慣れて、その後オーナーの自宅であるホテルで過ごします。」

ホテルでは高木さんの飼い犬や他の犬と一緒に過ごすため、『群れ』の中での立ち振る舞いを意識するという。1泊2日でも預けると、他のワンちゃんとの接し方が少しずつ身につくそう。ホテルでは1日4回のお散歩、1日2回の食事、1日2回のおやつタイム、室内遊びなど、排泄や食へのストレスなくリラックスして過ごす工夫がされている。ホテルで過ごす中でオーナーとの信頼関係が生まれる。

−短時間でも『群れ』の中で上下関係を学びますか?

「(高木さん)学びます。先輩犬の動作を見て学ぶことが多いです。私たちが見てあげることよりも、ワンちゃん同士で感じることのほうが印象的かもしれないですね。」

どうしても他のワンちゃんが苦手だった子が4年かかって他のワンちゃんのいるスペースに入ってきたケースもあるという。

「(高木さん)お散歩とかしながら、『群れ』というものを学びます。」

コロナ禍の影響で、散歩中にできていた交流ができなくなった。ワンちゃん同士の友達もできにくいといった相談を受けることも多いそう。アビーズペットの店内やペットホテルでは目の行き届いたところで、ワンちゃん同士の関わり合いが持てるという。

「(高木さん)挨拶できなかった子が、挨拶できるようになったりします。」

食いしん坊のスタッフが贈る美味しいものだけのドックカフェ

「(野津さん)ここをカフェにしたので、みんなが出会えて情報交換してもらえたらと。初めてワンちゃんを飼うときは戸惑うことも多いし、ワンちゃんも年齢を重ねていくと大変なこともあります。ここに来れば誰かがいて話ができるという場所になれば。」

−ワンちゃんと一緒じゃなくても、カフェに来ていいですか?

「(野津さん)もちろんです。」

ペットフードと同じく食にこだわっているので、パンやピザもお店で焼いている。野津さんは食べ歩きが好きで色々な美味しいものを知っていたので、高木さんは野津さんに聞きながら決めていったという。

「(野津さん)まさか食いしん坊がここで役に立つとは(笑)」

ハーブティーはフランス、ジャムはイギリス産のものを販売している。ジャムはビクトリア王朝時代のレシピで作っているものだそう。

「(野津さん)コーヒーは散歩の途中に寄っていただくイメージで軽めでさっぱりと。」

「(高木さん)カフェでいろんな人とお話しして交流を持っていただけたらと思います。」

ワンちゃんの一生と飼い主さんをサポートする場へ

−今後の展望を教えてください。

「(高木さん)ドックカフェがお客様から認知されたら、病院をやるわけではないけれど、(ワンちゃんの)医療系や介護をしたいなと思っています。」

若い頃はトレーニング、年を取ったら介護というように、ワンちゃんの一生をサポートできる場にしたいそう。まだまだ先の話と前置きをしつつ、高齢者でもペットを飼いたいと思う人のサポートもできるようになればという。

「(高木さん)(動物)病院をいくつか提携しておいて、(飼い主さんの)負担がないように、みんなで楽しく過ごせたら。」